日本における物の数え方は多種多彩で、一説によると500通りを超えると言います。例えば人を数える場合は、一人(ひとり)二人(ふたり)で、これが動物になると一匹(いっぴき)二匹(にひき)に変化します。
動物といっても馬などの場合は、一頭(いっとう)二頭(にとう)。数える対象によってその単位が様々と変化するのは日本語の一つの特徴でもありましょう。
競馬用具の場合
鐙(あぶみ)=「ひと掛け」「ふた掛け」
ハミ=「ひと口」「ふた口」
鞍=「ひと背」「ふた背」
上記はいずれも主な単位のもので、総じて「一具」「一具」と言う数え方を用いても支障はないようです。
競馬場のコースの場合は、「一面」「二面」
これはバレーボールやテニスのコートと同じ用い方ですね。
我々に馴染み深いものでは、レース中に各馬の距離間を表現す「馬身」。
これも一種独特ですよね。距離を馬の体を使って表現する。
『先頭からシンガリまで約10馬身ほどでしょうか…』
実況中継でよく聴く言葉ですが、「メートル」などの単位を使わなくとも距離感が良く解るから不思議です。
ところで「1馬身」とは、馬のハナ面からお尻までの事だとはご存知でしたか?
これに尻尾が加わると「1馬身半」
つまり"1馬身半差で勝つ"いうことは、後ろの馬のハナ面が勝ち馬の尻尾にはギリギリ届いていない状態を表しているのです。そして、専門的にはこの状態をもって初めて「完勝」と位置づけられます。これ以下は接戦なんですね。
もう少し馴染み深いものでは、
馬券の場合…
当たり馬券=「1本」「2本」
『俺、今日は3本の万馬券を獲ったよ』
『○○さんの予想は、5本的中でした』
しかし、これが外れ馬券になると「1本」「2本」とはならないんです。
「一片」「二片」
"片"とは、"紙切れ"などに用いる単位です。
読み方は正確に言うと、「ひとひら」「ふたひら」になるのですが、勝負師は屈辱を込めて「いっぺん」「にへん」と呼ぶんですね。「ひとひら」などという情緒あるものではない。単なる"ゴミ"だと自覚するのです。
勝負の世界とは厳しいものなのです。
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